ひとくちに肩こりと言ってもその症状はさまざまです。それは肩こりが単独の病気ではなく、肩や首などを含めた広い部分に生じる張りの総称であるということなのです。したがって、肩こりの原因もさまざまです。
さまざまな肩こりの原因の中で、最近、注目を浴びているのが頸椎ヘルニアです。私の患者さんの中には「頸椎ヘルニアの治療をしたら肩こりがなくなった!」と喜んでいる方が大勢おり、因果関係は明らかになってきました。
首や肩はとてもデリケートな部位です。おまけに身体の根幹となる神経がたくさん走っており、そのために首に異常があると、さまざまな症状が現れるのです。
年齢を重ねてくると、手のしびれや冷えを訴える人が増えてきます。痛みと違って、すぐに生活上の支障がないことから、「ただの年齢病だ」と我慢しているケースが少なくないのですが、原因によっては深刻に考えたほうがいい場合があります。
手のしびれの原因として多いのは、手根管症候群をはじめとする手首の炎症や肘の炎症です。
そして手根管症候群とおなじくらいの確立で考えられるのが、頸椎ヘルニアによる手のしびれや冷えなのですが、この場合は、なかなか原因が特定できないという問題があります。
というのも、症状として首のこりや肩のこりがなく、指先を中心にしびれるため、まさか首が原因だとは気づかないことが多いからです。
また、しびれの出方もいろいろです。波がある人もいるし、ずっとしびれている人もいらっしゃいます。
さらに、あたためてもあたためても手が冷たく感じ、冷え性だと決めつけているケースも多く、このことも頸椎ヘルニアの治療が遅れる理由のひとつになっています。
頸椎ヘルニアによる手のしびれは、右手と左手で指先の感覚が違うことから気づく人が多いようです。たとえば両手で何かを持ちあげたとき、片手だけ冷たく感じたりします。