背骨は1本の骨でできているのではありません。椎骨という24個のパーツから成り立っており、首の部分が頸椎、胸の部分が胸椎、腰の部分が腰椎と呼ばれます。これらに、おしりの骨である仙骨と尾てい骨を加え、全体を背骨と総称します。
骨の図を見て分かる通り頸椎のあたりが一番、細くなっています。
これは、人体の中でも首(頸部)がかなり複雑な動きをするからで、可動性を高めているのです。
しかし、背骨の一部として重い頭部を支えているにもかかわらず、細く、よく動く、ということは当然、ウィークポイントになります。よって「直立」のバランスが崩れたとき、もっとも被害が大きいのがここなのです。
ところが、私たちは首の健康状態について、あまりに無関心です。「最近、胃の調子が悪くて……」とか「冬になると肌荒れがひどいんです」といった身体の悩みは口にしても、「どうも首の調子がいまいちです」とは、なかなか言わないものです。日常的に首を傷めていても、その悲鳴に気づかないのですね。
首にはさまざまな神経や器官が集まっていますから、ここに不調が生じると、影響はさまざまな部分に及びます。
代表的な症状は肩こりや手のしびれ、頭痛などですが、まさか首が原因だと気づかずに放置したり、対症療法だけでごまかしている人が少なくないのです。
ですので次のような症状に慢性的に悩まされ、しかも原因がわからない場合、頸椎の診察をしてみることをお勧めします。
・肩こり、首こり
・頭痛、偏頭痛
・手のしびれや痛み
・疲労感、不眠症、イライラなど