「偏頭痛だから……」で済まされない頭痛の怖さ
頭の全体が痛むときには誰でもすぐに病院に駆け込むでしょうが、頭の片側からこめかみにかけての偏頭痛の場合、「私は偏頭痛もちだから」と決めつけて放置してしまう人が少なくないようです。
しかし、どんな痛みも体内からの悲鳴である可能性が高いのですから、必ず医師のもとを訪れ、相談してみてください。
そして意外にも、もっとも多いのが、首から来る頭痛なのです。
軽度なケースでは、首の筋肉の緊張があります。緊張性頭痛や頚性頭痛と呼ばれるもので、この場合はマッサージや温熱療法などによって筋肉がほぐれれば、自然に治りますから、それほど心配はいりません(ただし、作業中の姿勢などを正し、首に負担がかからないようにしていく必要はあります)。
問題なのは頚椎ヘルニアが原因になっている頭痛です。この場合はマッサージなどでは治りません。
頚椎ヘルニアは頭部と胴体をつなぐ神経根を、直接、刺激しますから、ひどい頭痛を引き起こすケースが少なくありません。
ですから、耐えられないような頭痛に悩まされ、しかもいろいろ調べても原因がわからないという方は、頚椎ヘルニアを疑うべきであり、専門医による診察をお勧めいたします。
「うつ」などの心の病気も首から起きる!
身体がだるいと、元気に活動しようという気持ちが薄れてしまいます。その結果、うつ病になってしまう人も少なくないのです。身体の不調は精神の不調を招く。精神的な病である「うつ病」も肉体的な理由から起きる場合があることは、もっと多くの人が知っていていいのではないでしょうか。
そして、その原因のひとつが頚椎ヘルニアです。
肩こり、首こり、手のしびれや冷えと痛み、頭痛、めまいなどはそんなにひどい症状でなくても身体の自由をじわじわと奪っていきます。
人によっては症状には自覚がないのに、「このところ、なんとなくやる気が出ない」と消極的になっているケースもあるのです。
ところが、首について専門的な知識がないお医者さんであればMRIを撮って頚椎ヘルニアかどうか調べようとはしません。
結局、原因を特定できないままに精神科を紹介し、そこで向精神薬や安定剤を処方される。これでは根本的な治療にならないどころか、症状を悪化させてしまうかもしれません。
最近では、身体の不調による精神の不調を「抑うつ状態」といった言葉で呼び、精神疾患である「うつ病」と区別している専門家もいますが、まだまだこのふたつはごっちゃにされることが多く、本当の原因を特定できずに無駄な治療を続けているケースは少なくありません。ですから、心の不調を感じたら身体の不調も疑い、適切な診断を受けるべきです。