くるくると視界が回ったり、まるで、ふわふわと身体が浮いているように感じるのが「めまい」です。
通常、耳の神経が原因である場合が多く、平衡感覚を司る前庭神経が炎症を起こす「前庭神経炎」や、半規管(一般には三半規管)を満たしているリンパ液が増えてしまう「リンパ水腫」(メニエール病の原因ともいわれています)、内耳の中にある耳石が剥がれて三半規管の中に入り込んでしまう「良性発作性頭位めまい症」などがあります。したがって、これらが原因であるとわかれば、治療によって症状は治まっていくはずです。
耳の神経が原因ではない場合、脳の異常によるものであることも考えられるので、脳のMRIやCTを撮影して、小脳の脳梗塞を調べることがあります。しかしこれらの検査でも原因が特定できないのに、めまいが一向に治まらないというケースもあるのです。
そこで疑うべきなのが頸椎ヘルニアです。なぜなら、頸椎ヘルニアによって首の筋肉に極度の緊張が起こり、めまいが生じるという患者さんは少なくないからです。
しかも、首の緊張が直接的にめまいを引き起こすだけでなく、首の緊張によって脳への血流が悪くなり、めまいにつながるということもあり、単純ではありません。
耳や脳の検査をしても、めまいの原因につながる異常がみつからない場合、お医者さんによっては、「自律神経失調症です」とか「ストレスが原因でしょう」と、精神的な病気だと片付けてしまいます。
ストレスは魔法の言葉であり、非常に曖昧に使うことが多いです。その結果、病気の本当の原因がわからなくなってしまうのです。
めまいがひどくなると外を歩くこともできなくなってしまいます。ですから、魔法にかけられてしまう前に、頸椎ヘルニアが原因であるかもしれないと疑ってみてください。たとえば、めまいと同時に首のこりに悩んでるような人であれば、頸椎ヘルニアである可能性は高いのですから。