PCの多用が首を傷めている。
現代人の生活の中で、首にとっても悪いのが、コンピューターの長時間使用です。オフィスワーカーであれば朝から夜までずっとパソコンの前に座り、黙々と入力しているといったことが少なくありません。
そして、人によってはモニターに顔を近づけたまま、何時間も過ごす。これが首にとっていいわけないのです。
デスクワーク
動物は、「動く物」と書くとおり、身体を動かすことを前提に骨格や筋肉の構造がつくられています。
ですから、同じ姿勢を続けるのはとても苦手なのです。この点、ずっと同じ姿勢でいる植物とは全く違う生き物なのです。
また、この「動く物」は、一定のルールに基づいて活動します。肘の関節は一方向にしか曲がりませんよね。こういうルールで身体をつくっているからこそ、効率的に動けるのです。
したがって、そのスペックを超えて強い負荷が加わったりすると簡単に壊れてしまいます。無理な運動や労働で首や腰のヘルニアになるのはこのパターンです。
もっとも怖いのは、コンピューターを使っての作業でも、身体に無理が加わるということです。
顎を出し、首を前に傾けたままで長い時間モニターを見続けていると、頸椎の間の椎間板に偏った重量がかかり、徐々に疲労が溜まって、ある日、ぷちっと潰れてしまう。つまりデスクワークをしていてもヘルニアになることはあるのです。
携帯端末の使用はほどほどに?
携帯電話に携帯ゲーム機、そしてiPadに代表されるタブレット型コンピューターは、どれもものすごい勢いで普及し、おなじみになりました。電車の中で見回しても、必ずこれらを使っている人をみつけられるほどです。
もちろん便利に楽しく使うのはいいのですが、「首の健康」という考え方からいえば、充分な注意が必要です。
考えてみてください、これらの「手で持つコンピューター(携帯電話も今やコンピューターです)」は、どれも少し前屈みになって操作するのが普通です。
このため頭部が前に出て、頸椎への負担が高まるのです。
携帯電話の使用
さらに、長時間にわたって操作している人を見ていると、前屈みの姿勢だとやはり疲れてくるのか、やがて腰を横にずらして斜めのかっこうでさらにメールやゲームを続けたりしている。
その結果、ますます頸椎を痛める可能性があるのです。特に注意しなければいけないのがソファーに座ってこれらの機器を使うことで、腰が固定されない分、だらしない姿勢になりがちです。
携帯電話もゲーム機も使うなとは言いません。でも、首にはかなり厳しいので、あまり長時間続けず、小まめに休息をっって首を回したり、腰を伸ばしたりといった体操をするといいでしょう。
正しくない姿勢をずっと続けていると、首だけでなく身体のあちこちを痛めます。自分の健康は自分で守るように心がけてください。